都市部を中心に、3階建ての狭小住宅が増えています。
建売の3階建て住宅も、数多く見ますね。
その中で気がかりのひとつと言えば
「3階建て狭小住宅は、老後も快適に住めるのか?」
家は安い買い物ではありません。
出来ることなら愛着を持ち、永く我が家で暮らしたいものです。
今回は、
3階建ての狭小住宅に、老後住んだ場合の問題点とポイント
を、3パターン別に考察してみました。
「3階建ての狭小住宅」老後が心配と言われるワケ
階段の移動が大変
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老後の住まいを考えた時に真っ先に思いつく心配は
「階段の上り下り」
健康な今でさえ、階段の移動は億劫です。
外では、エレベーターやエスカレーターを利用することもあるほどです。
今、大変と感じるからこそ、老後に階段を使う想像が容易なのですね。
3階建ての住宅に関しても同じで、
老後に、3階建てという3フロアを階段で行き来するのは酷では
と心配になるのです。
すべてが狭くコンパクト
3階建ての狭小
と呼ばれているとおり、狭小住宅は色々とコンパクトです。
各階の面積が小さいことも多く、最低限の機能や部屋の広さであることが考えられます。
また、狭いのはフロアや部屋だけではありません。
・廊下
・階段
・トイレ
・部屋の出入り口にあたるドア
などの広さについても気する必要があります。
将来、車いすでの移動や家庭用エレベーターを導入したい時など、通路の確保は大切です。
また、手すりを設置することになれば、その分手前に突き出す形となってしまいます。
狭小住宅は全てがコンパクトに作られることもあるため、心配になるのです。
1階と3階の温度差
高齢者が特に気をつける必要がある
ヒートショック問題
3階建ては、1階と3階でかなりの温度差となります。
温度計を使わずとも、鈍感な私が体感できるレベルで暑さや寒さが階によって変わります。
「温度差をなるべく減らした生活を」
と言われるこの時代で、3階建て住宅の温度差は心配になるのです。
老後「3階建ての狭小住宅」に暮らすパターンは3つ
![](https://coshiroblog.com/wp-content/uploads/スクリーンショット-2023-09-08-130902.jpg)
何かと心配な
3階建ての狭小住宅
老後に暮らすシミュレーションをしてみました。
問題点とポイントを、3パターンに分けて見ていきます。
①1階~3階すべてのフロアを使って生活する場合
まず、老後に家全体を余すことなく使う生活です。
3階全てをまるっと使うので広さの確保にはなりますが、心配ごとも挙げられます。
階段の移動
その時の体の状態にもよると思いますが、
老後、階段をメインに移動する
のは大変であることが想像できます。
各階にトイレがない場合、トイレの度に階段を使う必要も出てきます。
何かのために1階~3階まで階段で移動するのは、リスクも増えますね。
通路の確保
狭小住宅は限られた土地に建てられることがほとんどです。
その為、余裕のある間取りとはいきません。
場合によって、エレベーターや階段昇降機を導入をする場合もあるでしょう。
設置するスペースを確保できるかが問題です。
温度差
3階建て住宅は、温度差をダイレクトに受けることが多いです。
特に1階と3階は、体感出来るレベルで温度差が発生します。
・家電等を活用して、家の中の温度差を減らす
・これから家を建てる方は、断熱性能をより高める検討をする
出来る対策を取っていくことになるでしょう。
1~3階で暮らすポイント
1~3階で暮らすポイント
・各階にトイレはあるか
・エレベーターや階段昇降機を導入する場合の場所の確保
・手すりを設置する場合の通路の確保
・家の中の温度差を減らす工夫
②1階・2階のみで生活する場合
次は、3階は使わずに1階・2階のみで生活をするパターンです。
階段の移動
2階があるので、階段の移動はあります。
ですが、最低限の階段移動と考えれば少しは現実的かもしれません。
通常の2階建て住宅と同じように考えることが出来ます。
・握りやすい手すりを付ける
・階段に滑り止めの工夫を施す
などの対策を行いたいですね。
トイレ・水回りの位置
1階と2階それぞれにトイレがある場合は問題ありません。
しかし、どちらかのフロアしかトイレがない場合、トイレの為に階段を上り下りすることになります。
また、キッチンやお風呂も1階または2階に配置されている必要があります。
個室はあるか
ここでは3階フロアを使わずに過ごすパターンです。
3階にある部屋は使えません。
・1階、2階に個室が配置されているか
・部屋がない場合はリビングで就寝が可能か
これも考えるポイントです。
温度差
1階と2階も、やはり温度差はあります。
ですが3階フロアがあるおかげで、2階はさほど外気温に左右されにくいです。
この点は、3階建て住宅の特権かもしれません。
1階・2階で暮らすポイント
1階・2階で暮らすポイント
・水回りが1階と2階にまとめられている
・トイレが各階にあるか
・個室が1階または2階にあるか
・エレベーター、手すりを導入する場合の場所や通路の確保
③1階のみで生活する場合
最後に、1階のみで生活をするパターンです。
階段を一切使わない生活ですね。
1階で生活出来るスペース・個室はあるか
3階建て狭小住宅は、フロア自体が狭いです。
1階だけで最低限の暮らしが可能な広さか、考えなければなりません。
部屋も最低ひとつは欲しいところです。
1階に水回りが配置出来るか
もともと、1階に水回りが集結されてある場合はクリアです。
ですが「キッチン、トイレ、浴室」のいずれかがないことは十分考えられます。
狭小住宅は、水回りを違う階に分散させた間取り
も多く見られます。
その場合、1階に追加の設置が可能かを検討する必要が出てきます。
廊下などの幅は適当か
1階のみでの生活を考える場合、階段の上り下りが難しいことも起こり得ます。
車いすなどの活用もあるかもしれません。
通路やドアの広さは確保できているか、大事な点になってくるでしょう。
1階のみで暮らすポイント
1階のみで暮らすポイント
・1階フロアに、最低限暮らすための広さや個室はあるか
・ドアや廊下の幅の確保
・1階の水回りのリフォームが可能か
老後、3階建ての狭小住宅で快適に暮らすためのチェックリスト
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パターンごとに考察した中で、ポイントも見えてきました。
ここでは、老後における3階建て狭小住宅のチェック項目を書き出してみます。
1.断熱はしっかりされているか
2.階段の手すりは握りやすいか
3.通路(階段や廊下)の幅はどのくらいか
4.部屋は各階にあるか
5.水回りは1階・もしくは2階にまとめられているか
6.トイレの設置場所、また広さはどうか
7.浴室はゆとりのある広さか
8.ドアの幅はどのくらいか
9.エレベーター等の設置スペースはあるか
10.玄関をスロープに変更する余裕はあるか
この項目は、すべてをクリアする必要はありません。
「各家の3階建て狭小住宅」の強みを知る、また
これから建てる方は強みを作っておくことで、
老後、どのように家を変化させていくことが可能か
指標のひとつとしてお役立てください。
まとめ
今回は、
老後も、3階建ての狭小住宅に暮らせるか?
を、パターンごとに考察してみました。
老後、快適に暮らすためのチェックポイントも見えてきましたね。
かつて「人生80年」と表現されてきましたが
「人生100年」時代に突入する
こんな話も見聞きするようになってきています。
せっかく縁あって暮らすことになった家です。
前もって我が家の強みを知り、ぜひ快適な老後の暮らしにつなげていきましょう。